




ヒロインであるエリカのファミリー・ネーム(名字)の通り、“ストレンジ(奇妙な、おかしな)”な体験が楽しめる本作。過去に戻って、昔、傷つけられたボーイフレンドに復讐するなど、胸のすくようなエピソードもあるが、正しい選択が辛い結末を生んだり、どんなに頑張ってみても結局は現状を変えられなかったりと、ほろ苦いエンディングも多い。また、うまく行かなくても勇気を持って自分らしさを貫くエピソードもあり、それがまた、人生の奥深さを学んだエリカの人間的成長へとつながって行く。当時は若さゆえに気づかなかったこと、見えなかったことがあったとエリカが理解する過程も興味深い。
その他にも続きが見たくなる・ハマる要素がたくさんある本作だが、中でもポイントとなるのがドクター・トムの存在。彼は何者で、なぜエリカを選んだのか? また、エリカの恋愛も気になるところ。互いに思い合っているように見えるものの、親友としての付き合いを続けているエリカとイーサン。しかも、イーサンは「当分、恋はしたくない」と傷心の様子。果たして2人の恋の行方は?
そして、エリカが「人生最大の後悔」と語る最愛の兄・レオの死に関するエピソードは本作最大の見どころ。タイムトラベルもののお約束である「他人の過ちは変えられない」「人の生死も変えられない」…これは本作でもドクター・トムがエリカに何度も念を押している。しかしエリカが、レオの死を止めたいと思っているのは確か。レオはいつ、どのようにしてこの世を去ることになったのか、そしてエリカは過去に戻った時、彼の死にどう向き合うのか…? 最後まで見逃せない!
エリカを演じているエリン・カープラックは本作で大ブレイク、2009年ジェミニ賞(カナダのエミー賞と呼ばれるTV賞)最優秀主演女優賞を受賞した。生き生きとした表情と、ナチュラルな雰囲気のカープラックは、多くの女性たちはもちろん、男性からも支持されている。また、脇を固める俳優たちも魅力的な面々が揃っている。ドクター・トム役のマイケル・ライリーは、ジェミニ賞常連のベテラン俳優で、「アウターリミッツ」や「CSI:科学捜査班」などアメリカンドラマへのゲスト出演も。毎回、さまざまな変装をして現れ、ひょうひょうと場面をさらったかと思えば、エリカに奥深いアドバイスを与えたり、謎めいた顔つきを見せたりと貫禄の演技を見せるライリーは、本作に独特の味わいを醸し出している。
イーサンに扮しているのはホラー映画やカナダのTVドラマに出演しているタイロン・レイツォ。どこまでも優しい草食系男子・イーサンのキャラクターは、世の女性たちの癒しの存在になりそう。「リ・ジェネシス」のメイコ・ニュイエン、「カイルXY」のアンドリュー・ジャクソンら、カナダのドラマでお馴染みの顔ぶれがゲスト出演しているのも楽しい。

時代がさかのぼる設定のため、本作では80年代、90年代など懐かしい過去の大ヒット曲が随所に使われている。M.C.ハマーの「Can’t Touch This」、スパイスガールズの「Spice Up Your Life」、シンディ・ローパーの「Girls Just Want to Have Fun」などなど…。時にはエリカがその時代にはまだ発表されていない、あのヒット曲を口走ってしまったことから思わぬ展開になることも。
人生に思い悩んでいる迷い多きエリカに対し、セラピストのドクター・トムが偉人や文学者の言葉を引用して勇気づけるのにも注目。
「困難の中にこそチャンスは眠っている」(アインシュタイン)
「待つうちに人生は終わる」(セネカ)
「本来の自分を見い出せ。人に気に入られるための仮面をはずすのだ」(アンリ・F・アミエル)
「自らの身をもって学べ」(J・ホルト)
これらの格言は、本作を見ている私たちの背中も押してくれる素敵な言葉ばかり。また、格言だけでなく、エリカがつぶやくセリフにも「子どものころは素晴らしい未来が待っていると思ったのに」「どうすればまともな男に出会えるの?」などなど、共感度の高い言葉がたくさん。さらには「マトリックス」のモーフィアスのセリフをドクター・トムが文学作品の名言のように披露したり、イーサンが「Dr.HOUSE」のエピソードを苦し紛れに使ったりと、映画・ドラマ好きならニヤリとしてしまうシーンも多数。
ハイブランドではない、ごく普通のファッションを身につけているのがエリカの魅力のひとつ。コートとマフラーの色を合わせたり、シンプルなニットワンピをサラリと着ていたりと、清潔感のあるオシャレをしているエリカに誰もが親近感を抱いてしまうハズ!
パーティドレスを友達から貸してもらったり、「マノロ(・ブラニク)風なんだよ!」と言ってチャイナタウンで10ドルで買ったサンダルを履いていたりと、庶民感覚たっぷりなところも好感度大。さらに過去に戻った際に見せるくしゃくしゃソバージュヘアーに太眉、ケミカルウォッシュデニムの高校生ルック、大学時代のグランジファッション、そしてイベントで扮装するマドンナや魔術師などのド派手なコスプレもカワイイ。
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