‐『ロビン・フッド』のメイクアップ・アーティストとして仕事をすることになったきっかけは何ですか?
1月の初旬、プロデューサーのリチャード・バレルと会わないかと誘われたの。実際にリチャードと会う前に『ロビン・フッド』第1話の脚本を読んで、私の頭の中に浮かんできたアイデアをスケッチブックに描いて持っていった。リチャードは私のアイデアを気に入ってくれて、1週間後、正式に仕事のオファーをもらったわ。
‐そもそも、メイクの世界に飛び込んだきっかけは何だったのですか?
学生のころ、美術が大好きだったから。メイクの仕事はとても独創的で、やりがいのある仕事よ。
‐撮影中の典型的な1日のスケジュールを教えてください。
毎日一番先に現場入りして、一番最後まで残るわ。それぞれの役に合わせたメイクを俳優さんたち全員にして、カメラ映りをチェック。傷や青アザといった特殊メイクもするわ。その日のすべての撮影が終わったら、次の日の撮影に向けた準備を始める。
‐毎日、同じメイクばかりしていて退屈に感じることはありませんか?
それはないわね。毎日、色々な問題が出てくるから退屈どころじゃないわ。
‐俳優さん1人にかけるメイク時間はどのくらいですか?
男優さんなら大体25分、女優さんは1時間といったところかしら。でも、傷のメイクをほどこしたり、カツラをかぶせたりする場合は、もっと長くかかるわ。
‐どれくらいの頻度でメイク直しをしますか?
撮影用のメイクは、化粧を吹きつけるエアーブラシという道具を使って行なうの。だから、普通のメイクより持ちはいい。だけど、炎天下の中での撮影だと化粧崩れも早いから、俳優さんの近くに扇風機を置いて、メイク直しもその場で頻繁にするわ。
‐傷やアザといった特殊メイクは、どのようにほどこされるのですか?
傷は、ゼラチンを溶かしたものを型に入れて固め、それから体や顔の上につけていく。アザは、黄色や赤、青に黒といった様々な色をエアーブラシで吹きつけて皮膚の上に描いていくの。血痕は、何種類かの茶色や赤を混ぜて作るのだけど、時には泥を使う場合もあるわ。
‐キャラクターごとに、どのようなメイクにするか決めるのはどなたですか?
キャラクターのイメージを膨らませるために、まず私が台本を読んでヒントになりそうな情報を集めるの。貧しい人なのか、お金持ちか。森の中に住んでいるのか、森の周りにすんでいるのかといった情報をね。それから、衣装デザイナーや俳優さんたちと話し合う。全員が納得するメイクにたどり着くまで、何パターンものメイクを試すわ。
以前、タトゥーの入っているキャラクターを担当したことがあるの。タトゥーの歴史に関してリサーチをして、3つのデザインを考えたら、監督、プロデューサー、そしてエグゼクティブ・プロデューサー3人が、それぞれ異なるデザインのタトゥーを気に入ってしまった。長時間にも渡る話し合いを重ねた結果、3人に自分の選んだデザインのどんなところが好きなのかを教えてもらって、その3つの要素を織り交ぜた新しいデザインを考え出すことになったの。体にタトゥーを書くのに4時間もかかるほどの超大作だったわ!
‐ヘアスタイルも担当されますか?
ええ。ヘアカットや、セットもやるわ。
‐『ロビン・フッド』には顔ひげの生えたキャラクターがたくさん登場しますが、あのひげは本物ですか?
本物のひげの場合もあるし、偽物を使う時もある。見分けることができるかしら? もし視聴者の皆さんが、本物と偽物を見分けることができたら、私たちの腕がイマイチだって証拠ね。
‐キャラクターが視聴者に与える印象は様々ですが、その印象を作り出すものとしてメイクの役割は大きいと思いますか?
メイクには、キャラクターの過去を語る力があると思う。例えば、顔に傷のある人を見たら、昔ケンカをしたことがあるのだと視聴者は想像できるでしょ。
‐男性ばかりの撮影スタッフの中で、誰と一番仲良くしていましたか?
男性スタッフはみんな、いい人たちばかりだったけど、やっぱりマリアン役を演じたルーシー・グリフィスと一緒にいることが多かったわね。
‐今までに経験してきたテレビ、または映画の撮影で、一番やりがいのあった作品はどれですか? また、その理由も教えてください。
もちろん『ロビン・フッド』よ。台本ごとに新しいキャラクターが登場してきて、大変だった。
‐メイクアップ・アーティストを目指す人たちにアドバイスをお願いします。
早起きに強くなっておくことね。4時起きなんてこともあるんだから!
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